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陶磁器の安全性について
最近、陶芸をされている方から炭酸バリウムの危険性(HPで紹介している「劇毒物のため食器として使うには配合比15%程度までとされている。また、*バリウムマット釉の食器利用はダメ。」)について質問を受けたので改めて釉薬に使われている原料の安全性について考えてみました。陶磁器を自ら作り販売している身としてはこの安全性については決して無知ではいけないことと思います。私なりに調べてあることを皆様のために少し公開します。(*バリウムマット釉は完全に溶けた上でマットになっているか、溶けないでマットになっているか自分自身の知識から判断できないものは使うべきではないとの考えから)

*Highly Toxic 特に注意すべき劇物
・鉛・バリウム・赤/オレンジ/黄色などの顔料・三酸化アンチモン・五酸化バナジウム・酸化ニッケル・酸化クローム・マンガン

*Toxic 劇物
・酸化コバルト・銅・リチウム・硼酸・亜鉛

以上、鉛以外は現代の釉薬原料として劇物ですが通常使われているものです。鉛、カドミウムについては日本では多くの生産者、陶芸家が危険性を認識し使われていないと思いますが、2007年、海外で安価に生産され輸入された土鍋に鉛の使用が発覚した事件がありました。これはおそらく鉛が低火度で溶ける強力な溶解剤で手軽に使用できるといったところから経済性が高い、つまり安く作れることからだと思います。これらの原料はいまだ入手することは可能ですし使おうと思えば使うこともできますが当アトリエでは鉛・カドミウム等の重金属、危険性の高い原料は「食品衛生法の基準値以下だから安全だ」とかそういう考えではなく一切使用しておりません。けれども器を買うときそういったものが使われているかどうか知る由もないですよね。一般の食器を購入するときに自らできる防衛策としては激安ショップの鮮やかな色付きの食器を買わない使わないことだと思います。安くできる=高温焼成していない 色が鮮やかなのに安い=鉛の使用もありえる と釉薬を調合している身としては考えてしまいます。

陶磁器の表面には通常釉薬といわれるガラス質の被膜で覆われています。このガラス質(マット・乳濁・結晶・透明がある)が陶器を強く美しくしています。しかしながら、釉薬の表情を優先したり経済性のため安価な劇物を使用または過剰な添加により食器を使っていくうちに知らずして食品の酸性物質が表面を侵食し重金属が流れ出すという研究結果が報告されています。 

釉薬の調合のヒントにと私自身も検索して調べることもありますが釉薬の表情は素晴らしいにも関わらずその公開されている調合バランス等を見ると恐ろしくなることがあります。釉薬中のアルミナ、シリカ分が少なく劇物が完全にガラス質内に閉じ込められていないんだろうなぁと思われるからです。もちろん、食器利用を想定していないなら問題はありません。恐らく当人はそれを危険だと教えられたことも考えたこともないのかも知れません。私自身は陶芸を学校などで学んだわけでもないので単純に自分が取り扱っている原料の性質を知らなくてはと思い色々調べていたところその危険性に気付くことが多くありました。
  
劇物もありますがアトリエで使用している食器用の釉薬は完全に融解し無毒化される範囲での添加量です。また、今後は上記に挙げた劇物を一切含まない釉原料を主としたより安全な器も作っていきたいと思っております。なお、当アトリエの作品ご購入のお客様、体験教室等をご利用のお客様は安心して器をご使用ください。私自身も健康は損ないたくありませんので科学組成などを日々研究し販売作品の釉薬は自家調合しております。

 
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